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明治安田生命、60歳以上で転勤 知見継承へ新制度を導入

明治安田生命保険が、60歳以上の総合職社員を対象に、全国転勤した上で各地で指導的な役割を担う新たな人事コースを導入したことが2日、分かった。同社の定年は65歳だが、これまで60歳以上は転居を伴う異動の対象外だった。バブル期前後の大量入社世代が今後10年程度で順次定年を迎えるのを見据え、知見の継承や安定的な労働力の確保を進める狙いがある。
 永島英器社長(59)が共同通信のインタビューで明らかにした。永島氏は「人生100年時代にシニア層の活用は重要。仕事にやりがいがあれば単身赴任でも構わないという方もいる」と新たなコースの意義を強調した。

(共同通信 5月2日)

約15年前、団塊世代の定年退職がつづいたときに、熟練スキルの継承が問題になった。
当時は再雇用が制度化されていなかったので、定年後は会社を離れることが通例だった。
ITによって属人的なスキルの標準化が進んでいるが、すべて標準化できるわけではなく、
熟練スキルに頼らざるを得ない業務はどの職場にもあるものだ。標準化できない領域は直に学んで継承する以外にない。
 60歳以降の総合職には若手社員のサポーターとして社内需要が高いだろうが、張り切り過ぎると老害になりかねない。会社はどこまでの働きを求めるのかを明示したほうがよい。
 一方で、当人は働きぶりのさじ加減に加えて、健康管理には十分留意してほしい。
ある医師は「60歳を過ぎれば、何時、どんな病気に襲われても不思議ではない。食事、睡眠、運動だけでなく、仕事の量にも気を配って健康管理に留意すべきだ。いままでハードワークで鳴らしてきた人ほど切り替えが難しいので、職場が業務量を調整することが大事だ」と指摘する。
 ただ、わかりきったことだが、身に付いた修正は簡単に修正できない。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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