2022/05/11
小規模郵便局の局長でつくる任意団体「全国郵便局長会」(全特)が、局長を志望する人に対して、日本郵便の採用試験の前に、配偶者も同席させて面接するなど独自に選考を行っていることが、内部資料で明らかになった。通過者には長期間に及ぶ研修を受けさせ、選挙活動の重要性などを理解させた上で採用試験を受験させるとしている。全特は、参院選に自民党から組織内候補を擁立しており、全特が局長の採用権限を実質的に握り、政治活動に利用している構図が改めて裏付けられた。
小規模局長の採用は一般の局員とは別枠で、日本郵便が社内外に公募して試験を実施する。複数の関係者が「全特は夫婦で選挙活動に取り組むことを重視しており、全特が認めた人物しか採用試験に合格しない」と不公正な採用の仕組みを証言している。
厚生労働省は「一般論として、支持政党や家族に関することなど本人の適性や能力と無関係の事柄を採用基準とすることは、就職差別に当たる恐れがある」としている。
(西日本新聞 5月1日)
選挙の組織票を受け持っている職場では、選挙がはじめると従業員は集票のコマに利用される。有形無形のプレッシャーがかけられ、候補者も政党も自由に選べないらしい。
ある医療法人では、総選挙の公示が始まると院内の各所に日本医師会推薦候補者のポスターが掲示される。患者や患者家族にも投票を呼びかけているような印象すら受ける。
当然、職員に対する周知徹底はしっかりと行われる。様々な会議で日本医師会推薦候補に投票するようにと指示されるというが、投票に結びついているかどうかは定かでない。中堅職員によると「野党支持の職員がいても不思議ではないが、皆、選挙について話題にしない。上から組織内候補への投票を指示されることに、多くの職員は良い印象を持っていないのではないだろうか」と話す。
組織票の獲得は選挙戦術のひとつだが、職場でのプレッシャーは論外である。ひとりの有権者としての投票行動が保証されるように、就業規則に投票への不関与を明記したほうがよい。
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