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夏のボーナス、小幅増か 民間予測、物価上昇が懸念

民間企業の今夏の1人当たりボーナスは前年夏に比べて0.3~1.6%の小幅増になるとの予測を民間のシンクタンクなど6社が30日までに公表した。新型コロナウイルス禍の影響が一巡し、業績が好調な企業が増えたことが背景。ただ足元では生活必需品の価格が上昇しており、賃金増加ペースが追い付かず、個人消費に力強さが欠ける展開を懸念する見方もあった。
 従業員5人以上の企業を対象に、厚労省が公表している毎月勤労統計調査を基に推計した。予想する増加率は大和証券が1.6%と最も大きく、日本総合研究所が0.3%と最小だった。2021年夏のボーナスの実績は0.8%の減少だった。

(共同通信 4月30日)

本来、ボーナスは余禄のような報酬だから、生活費から除外したほうがよいのだが、現実はそうはいかない。ボーナス返済という危うい返済方式も、商品の購入欲求の前に無抵抗に受け入れてしまう。
デューダの調査(対象1万5000人)によると、2020年9月~21年8月の1年間に支給されたボーナスの使い道で最も多かった回答は「生活費の補填」。貯蓄に回す人は約5割にとどまった。
生活費は月収で賄い、ボーナスは有事に備えて備蓄に廻したほうが現実的だが、貯蓄性向は好ましくなく、消費と投資に廻すことが政策メッセージとして喧伝されている。
 この調査では平均支給額が年間100.2万円(冬48.5万円、夏47.0万円)だった。ボーナスの高い職種は「企画/管理」と「モノづくり系エンジニア」がトップ30の半数を占めた。ひと昔前は金融関連職種が上位を占めていたが、いまではデジタル化とコンプライアンス強化の推進を担う職種が高額のボーナス支給の対象になった。
 10年後の高額職種は、また新たな顔ぶれに変わっているのだろうか。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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