2022/03/29
人事院は2023年にも各省の国家公務員の課長級を対象に組織運営や人材育成などの研修を始める。若手の離職増加を受け、管理職のマネジメント能力を高める。 課長になって3年以内の職員を想定する。長時間労働の是正や若手の離職回避の方策を話し合う。 民間企業からの参加も募る。官民で課題を洗い出し、有効な取り組みの事例などを共有する。 国家公務員は離職者の増加傾向に歯止めがかからない。内閣人事局の調査で自己都合を理由とした20代の総合職の退職者数は19年度に87人で、6年前から4倍に増えた。
(日本経済新聞 3月22日)
人事院ホームページによると、課長級研修年3回実施される。期間は、4日間(オンライン)、3日間(オンライン)、1日(オンライン)+3日間(合宿)。各回の参加数は約30人。 研修のねらいとして「国民全体の奉仕者としての使命感の高揚を図り、政策実現能力、管理的能力等の充実を図ります」と書かれている。 離職を防止するのなら、若手を対象にしたほうがよさそうだが、課長級の人心掌握力も重要だ。リンクアンドモチベーションのコンサルティングを受ければ一定の成果を期待できそうだが、何よりも業務量を削減しない限り、中途退職の流れを止められないだろう。 中途退職者の増加が懸念されている一方で、内閣官房は2013年に早期退職募集制度を創設した。対象は45歳以上。制度の目的は「職員の年齢別構成の適正化を通じた組織活力の維持等」で、早期退職の認定を受けた職員は、19年度に1642人、20年度に1601人だった。 早期退職を募集しながら若手の離職防止を図るのは矛盾しているようにも見えるが、中央省庁でも、民間企業と同様に45歳以上はリストラ対象世代なのだろう。
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