Talk Genius

人と会社と組織を考えるニュースマガジン

トヨタ社長、春闘要求に満額回答を表明 日産も要求通りの方針

トヨタ自動車の豊田章男社長は9日に開いた2022年春闘の第3回労使協議会で、組合側の要求に満額回答で応じると表明した。日産自動車も同様の方針を示した。
トヨタの自社メディアであるトヨタイムズによると、豊田社長は、新型コロナウイルス禍や半導体不足が重なり先が見通せない中での組合員の努力に感謝し「賃金・賞与については、要求通りとする」と述べた。
日産も同日のオンラインレクチャーで、組合からの賃金・賞与の要求について満額回答とする方針を示した。同社の担当者は「(春闘の)回答日の前に方針を出すことできたのは、やはり組合の認識と会社の認識が近かった」と述べた。
(ロイター 3月9日)

今春の賃金改定率は「3%以上か」「3%未満か」が焦点になり、企業経営においても「成長と分配の好循環」が問われる。
3月7日付け読売新聞によると、日本生命保険は2022年春闘で、内勤職員約2万人の年間賞与と定期昇給を合わせた賃上げ率を平均3%とする方針を固め、経営側が労働組合に提示し、近く労使間で妥結する見通しである。
賞与の引き上げは19年春闘以来3年ぶりで、保険販売を手がける営業職員も、営業成績に連動する歩合給を4年ぶりに引き上げる方針という。
民間企業にとって成長戦略のカギは、岸田文雄政権が取り組む成長戦略にどう入り込むかだ。政権が描く成長戦略の軸になるのは「デジタル田園都市国家構想」である。地方からデジタルの実装を進め、新たな変革の波を起こし、地方と都市の差を縮めていくことで、世界とつながるというのがアウトライン。要はDXである。
このアウトラインに沿って経済政策が実施され、企業経営ではDX格差が顕在化していく。DX後進企業は社員への「分配」に支障が出て、人材確保が難儀になる。しばらくの間、多くの企業でDX研修が相当な勢いで進んでいくだろう。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

この著者の記事を全て見る

Talk Geniusとは-

ヘッドハンティング会社のジーニアスが提供する人と会社と組織を考えるニュースマガジンです。