Talk Genius

人と会社と組織を考えるニュースマガジン

パチンコメーカーの平和が希望退職 募集規模は遊技機事業の約3割

パチンコやパチスロの大手メーカーの平和は14日、本体と子会社に在籍する40~59歳の正社員を対象に希望退職を募ると発表した。募集数は250人で、遊技機事業の従業員の約3割にのぼる。3月末で全国の営業所や出張所も統廃合し、営業拠点は25から20に減らす。経営責任の明確化として、嶺井勝也社長の月額基本報酬を30%カットするなど、役員報酬を6カ月間減額する。
 希望退職の募集期間は今月18日~2月18日で、希望者には再就職の支援をする。希望退職に伴う割り増し退職金など約21億円の特別損失を2022年3月期に計上する。
 コロナ禍を受けて、パチンコやパチスロの市場規模は縮小している。世界的な半導体不足もあって製造に影響が出ている。22年3月期は昨年5月時点で、パチンコ機10万8千台、パチスロ機5万2千台の販売を予想していたが、それぞれ6万3千台、2万9千台まで下がる見込みだ。
(朝日新聞デジタル 1月14日)

 コロナ騒動の行方はともかく、飲食店やレジャー施設は当分の間、客数が停滞したままだろう。まん延防止等重点措置を受けて、ワタミは61店舗を休業する。ワタミ会長の渡邉美樹氏は「渡邉美樹メールマガジン」でこう訴えている。
<都内の感染経路の50%が家庭内感染なのに外食は4人以内までと、東京都の小池百合子知事は飲食店の経営を圧迫させる要請を出す。専門家はすぐ外食を悪とする。4人以上の会食で、どれだけ感染者が増えるのか「科学的根拠」を示すべきだ>
 今年も人員削減に踏み切らざるを得ない企業が、昨年に引き続き続出するのではないだろうか。
東京商工リサーチによると、昨年に早期・希望退職募集を開示した上場企業は84社。2年連続で80社を超えたが、これはリーマン・ショック後の2009年(191社)、10年(85社)以来である。未上場の中小企業を含めれば、さらに大きな数字になるはずだ。
業種では、アパレル・繊維製品が11社で、2年連続で最多を更新した。観光関連は4社、鉄道・航空を含む交通インフラも8年ぶりに募集した。 すでに人員削減を尽くしたのか、まだ続くのか――。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

この著者の記事を全て見る

Talk Geniusとは-

ヘッドハンティング会社のジーニアスが提供する人と会社と組織を考えるニュースマガジンです。