2021/11/26
出入国在留管理庁が人手不足の深刻な業種14分野で定めている外国人の在留資格「特定技能」について、2022年度にも事実上、在留期限をなくす方向で調整していることが17日、入管関係者への取材で分かった。熟練した技能があれば在留資格を何度でも更新可能で、家族の帯同も認める。これまでの対象は建設など2分野だけだったが、農業・製造・サービスなど様々な業種に広げる。
別の長期就労制度を設けている「介護」を含め、特定技能の対象業種14分野すべてで「無期限」の労働環境が整う。専門職や技術者らに限ってきた永住への道を労働者に開く外国人受け入れの転換点となる。
現在、資格認定の前提となる技能試験のあり方などを同庁や関係省庁が検討している。今後、首相官邸や与党と調整し、22年3月に正式決定して省令や告示を改定する流れを想定している。(日本経済新聞 11月18日)
在留資格「特定技能」の在留期限を無期限に延長する措置は、やがて移民政策へと走るのだろうか。
国が示した社会像は「多文化共生社会」、その定義について多文化共生社会基本法案は
<国民及び在留外国人 の一人一人が、社会の対等な構成員として、 国籍及び社会的文化的背景を認め合い、 相互に人格と個性を尊重しつつ支え合いながら共生する社会>と規定している。
この法案には責務が盛り込まれ、 国の責務、地方公共団体の責務だけでなく、事業者の努力(基本理念に配意した事業活動の実施、国等の施策への協力)、国民の努力(あらゆる社会分野における多文化共生社会の形成への寄与)、在留外国人の努力(日本語の習得、地域の文化・慣習についての理解、子の教育)にまでおよんでいる。
「国民の努力」とあるのは同調圧力の誘発が必至だが、背景にあるのは少子高齢化にともなう人手不足で、法制化は窮余の策にすぎない。国家観に基づく社会像を議論した深く議論した形跡はないが、伝統文化に関する見解も含めて議論を重ねても結論は出ない。
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