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NTT、転勤不要は4年後めどに実現へ 「脱昭和」掲げる社長に聞く

NTTの澤田純社長が12日、朝日新聞の単独インタビューに応じた。9月末に表明した「転勤が不要になる働き方」について「4年、5年で実現したい」とし、2025年をめどにグループの大部分でリモートワークを基本とした仕組みを整える方針を示した。全国の空きスペースをリモートワークの拠点として整備し、他社に開放する構想も明らかにした。
リモートワークを基本とする働き方は、9月に澤田社長自身が「昭和のスタイルを変える」として発表。転勤や単身赴任についても22年度以降に「なくしていく方向だ」と述べていたが、新しい働き方の実現時期を示したのは初めて。  
澤田社長は12日のオンラインインタビューで、NTTグループの現状について、すでに国内の従業員約18万人のうち半数近くはリモートワークが基本だとし、今後はその範囲を「毎年2万人規模で広げる」と説明。これまで在宅勤務が難しかった保守部門でも、設備をカメラで監視するなどデジタル機器の活用を進めて対象を順次、拡大するとした。
(朝日新聞デジタル 10月12日)

転勤族に聞いてみると、第一線を退いてからは、それぞれの赴任地に思い出があって懐かしさに浸れるというが、転勤の真っ只中にあっては、子供の転校や、単身赴任による二重生活で何かと落ち着かないようだ。
だが社命とあっては従わざるを得ない。優先すべきは家庭生活よりも会社なのである。実際、HR総研が今年4月に発表した調査では①異動命令について「拒否権なし」が6割超、大企業・中堅企業では7割②異動命令に本人の意向を反映することのポジティブな効果を実感している企業は約半数③異動命令に関する今後の方針、大企業では「拒否権がないまま変わらない」が5割――という結果だった。
ワークライフバランスが声高に唱えられても、職場の実態はそう簡単に変わらない。相変わらず社員は会社の駒として動かされている。転勤を希望制に転換できるかどうか。働き方改革の真価が問われる分野である。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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