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中川日本医師会長、首相方針で報酬引き上げに期待 「方向性同じ」

日本医師会の中川俊男会長は7日の記者会見で、医師、看護師や介護スタッフらの所得の引き上げに向け、岸田文雄首相が政府によって決められる「公定価格」の見直しを掲げていることについて、「日本医師会の考える方向性と同じ」と話し、期待を示した。  
医療機関が受け取るサービスの価格である診療報酬は、政府が決める「公定価格」。日本医師会は診療報酬の改定のたびに報酬の引き上げを求めており、首相の方針は強力な「追い風」となるとの受け止めだ。  
中川氏は、首相が感染症対策の司令塔として設置に意欲を示す「健康危機管理庁」に関して、「日本版のCDC(米国の疾病対策センター)のような組織は必要。提案や提言の準備をしている。(設置の)方向になればと思う」と述べ、賛同する考えだとした。(朝日新聞デジタル 10月6日)

国税庁が2020年の『民間給与実態統計調査』によると、給与所得者の平均は433万円。この平均値に対して医師と看護師の給与水準はどのぐらいなのか。
厚生労働省の「令和2年賃金構造基本統計調査」によると、勤務医(45.5歳、勤続7.1年)の平均年収は1440万3000円。大手企業の部長クラスの水準だろうか。やはり高水準である。
勤務先の病院規模別では、病院規模が小さいほど年収が高い。民間企業とは逆である。
従業員数1000人以上の病院は推定年収1255万円。従業員100~999人の病院が1621万円、従業員10~99人の病院が推定年収2067万8000円だった。
看護師の平均年収は491万8300円(41.2歳)だが、日本看護協会の「2020年病院看護実態調査」によると夜勤手当は年間40~60万円。夜勤手当を除くと、民間平均と同等である。
 来年4月の診療報酬改定でプラス改定を臨むのは、日本医師会にとって恒例の方針だ。過去数回の改定率決定過程を振り返ると、日医の意向がほぼ反映されたようで、政権との関係が大きく影響していた。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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