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8月の一般職業紹介状況、有効求人倍が1.14倍

厚生労働省が公表した8月の一般職業紹介状況は、有効求人倍が1.14倍となり、前月を0.01ポイント下回った。新規求人倍率は1.97倍。前月を0.01ポイント下回った。正社員有効求人倍率(季節調整値)は0.92倍となり、前月を0.02ポイント下回った。
有効求人は前月に比べ1.2%増で、有効求職者(同)は2.2%増。 このうち新規求人は前年同月比で10.0%増だった。 産業別では、製造業(39.3%増)、サービス業(18.7%増)、情報通信業(16.7%増)、宿泊業,飲食サービス業(12.3%増)などで増加した。
都道府県別の有効求人倍率(就業地別)では、最高が福井県の1.99倍、最低は沖縄県の0.79倍だった。

(厚生労働省プレスリリースを要約 10月1日)

 新政権の経済対策が具体化すれば、企業業績の見通しもつくが、ニューノーマルが定着しつつある状況で、宿泊業と飲食業の回復は一定程度にとどまるのではないか。局面が変わったのだ。
 第6波が到来すれば、ワクチン接種が進み、治療薬が開発されても、ふたたび行動自粛は避けられまい。需要が増えるのはIT人材で、ジョブ型の普及とともに給与水準はさらに一段と上昇していく。
一方、景気ではなく人口動態によって雇用情勢が変化する介護業界は、どんな現状にあるのだろうか。
全国社会福祉協議会・中央福祉人材センターによると、2021年4~6月(1ヵ月平均)の数値は、有効求職者数が1万4512人と前年同期に比べて3220人増加した。有効求人倍率は4.05倍。前年同期に比べて1.19ポイント減少した。
有効求人倍率が1倍を超えるのは2010年7~9月期以来11期連続である。売り手市場が11年もつづいている。介護報酬に設けられた処遇改善加算によって賃金水準は改善されつつあるが、人材の供給源である福祉系専門学校は定員割れしているうえに、福祉系大学の学生の多くが他業界に就職する流れにある。
現状で人手不足解消の解は見当たらない。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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