2021/09/20
サントリーホールディングスの新浪剛史社長は9日、経済同友会の夏季セミナーにオンラインで出席し、ウィズコロナの時代に必要な経済社会変革について「45歳定年制を敷いて会社に頼らない姿勢が必要だ」と述べた。
新浪氏は政府の経済財政諮問会議(議長・菅義偉首相)の民間議員を務めるなど論客として知られる。
政府は、社会保障の支え手拡大の観点から、企業に定年の引き上げなどを求めている。一方、新浪氏は社会経済を活性化し新たな成長につなげるには、従来型の雇用モデルから脱却した活発な人材流動が必要との考えを示した。
(時事通信 9月9日)
数年前に大学教授が40歳定年制を提唱したときは、かなり話題になったが、炎上はしなかった。あくまで研究者の学説として世間は受け止めていたからで、遠からず導入されそうだというリアリティーは乏しかった。
ところが政府委員に就く著名な経営者の発言になると、俄然リアリティーが違ってくる。
新浪剛史氏の発言がネット上で炎上するのは必然だった。すぐれた経営実績を築いてきた新浪氏の実践力をもってすれば、45歳定年制を本当に導入しかねないと。
さっそく新浪氏は火消に出た。
9月10日付け毎日新聞によると、新浪氏は10日に開かれた記者会見で「45歳は節目であり、自分の人生を考え直すことは重要だ。スタートアップ企業に行くなど社会がいろいろなオプションを提供できる仕組みを作るべきだ。『首を切る』ことでは全くない」と弁明したという。
確かに45歳はキャリアを見直す時期である。定年まで現職にとどまるのか、転職するのか、あるいは起業に踏み切るのか。どの選択肢を選ぶにせよ、ギリギリの年齢である。世間での議論を待つまでもなく、多くのビジネスパーソンは今後の身の振り方を考えているのではないか。
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