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女性エグゼクティブの人材紹介の促進

人材紹介のジェイエイシーリクルートメント(JAC)は女性特化型人材サービスのWaris(ワリス、東京・千代田)と業務提携し、女性エグゼクティブの人材紹介の促進と、同領域の市場拡大を進めていく。
Waris に登録する取締役・本部長クラスの経歴や起業・独立などの経験をもつ女性を、女性役員の外部登用の課題を抱える JAC の顧客企業に紹介して、経営層人材の多様化や ガバナンス強化の支援を行う。この提携事業は 2021 年 9 月上旬から開始する。
JACは専門職や管理職などの人材紹介サービスを展開し、上場企業約3000社を顧客に持つ。Warisは女性役員の人材紹介を手がけ、経営経験者ら200人以上が登録する。
(ジェイエイシーリクルートメント・プレスリリースを要約 9月7日)

女性役員を増やすには人材紹介会社の躍動が欠かせない。目利き能力をもったコンサルタントなら通俗的なブランドではなく、候補者の実務遂行能力を見極めてクライアント企業に紹介する。
いわば人材紹介会社は「第5次男女共同参画基本計画」や「女性活躍・男女共同参画の重点方針2021」の実行部隊である。立ち位置が黒子であることから、事業の実態は見えにくいが、社外取締役や外資系企業トップの起用には、人材紹介会社が介在しているケースが多い。
一方、これは女性に限ったことではないが、理工系人材が経営幹部に求められるようになった。そのベースとなるのは学校教育である。理工系出身者は文系分野をカバーできるが、その逆はハードルが高い。
理工系教育について「骨太方針2021」は「IT分野を始めとした理工系分野において、特に女性の身近なロールモデルを創出する」を打ち出した。その対策として①本分野の女性教員の割合を向上する取組を進める②学校推薦型選抜や総合型選抜に女子を対象とする枠の設定やオープンキャンパスの実施③女子学生向けのSTEAM 教育拠点の整備④理系分野で優れた業績を残している女性研究者の話を聞くことができる機会の充実――などを挙げた。
こうして底上げを図らないと、国力がどんどん衰退してしまう。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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