2021/08/31
リクルートが19日発表した7月の三大都市圏(首都圏、東海、関西)のアルバイト・パート募集時平均時給は、前年同月比12円(1.1%)高の1095円だった。医療や介護といった「専門職系」の時給上昇が全体を押し上げた。
同社の求人媒体「タウンワーク」などの掲載情報をまとめた。専門職系は前年同月比20円(1.7%)高の1220円で、7カ月ぶりに過去最高となった。慢性的な人材不足が続く「介護スタッフ」は同15円(1.4%)高の1119円だった。新型コロナウイルスワクチン接種の拡大などで需要が高まる「看護師」は1691円と同45円(2.7%)伸びた。
「事務系」は1176円で前年同月と比べると39円(3.4%)上昇した。
(日本経済新聞 8月20日)
看護師の時給が伸びたという調査結果だが、看護師の賃金水準はどのぐらいなのだろうか。時給1691円なら結構な水準で、パート・アルバイトなら他の職種をゆうに上回っているが、正規雇用の賃金水準は、業務内容を考えればけっして恵まれていない。
厚生労働省の「令和2年賃金構造基本統計調査」によると、看護師の平均年収は491万8300円(平均年齢41.2歳)。年収がピークを迎える年齢は55~59歳で、この年齢帯の平均年収は約563.2万円である。全職種平均の487.3万円よりも少々高い。
都道府県格差を見ると、多い順に青森県が540万5000円、岐阜県(530万4000円)、神奈川県(521万8400円)。少ない県は、順に大分県(405万円)、熊本県(424万4200円)、高知県(440万6700円)。
看護師の平均年収には夜勤手当が含まれている。全職種平均を上回っているとはいえ、夜勤も含めて過酷な業務を思えば、むしろ低いのではないか。とくにコロナ患者を受け入れている病院に勤務する看護師にとって、この賃金水準では合わないだろう。
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