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法務省・厚生労働省、監理団体に技能実習法に基づく行政処分

法務省と厚生労働省は、令和3年7月27日付けで、九州国際交流協同組合に対し、監理団体の許可の取消しを通知しました。また、同日付けで、アーバン協同組合、越前町漁業協同組合及び協同組合クリエイトヒットに改善命令を行いました。
さらに、出入国在留管理庁と厚生労働省は、同日付けで、相川和哉、株式会社イクタ、エポックインターナショナル株式会社、株式会社MYコミュニケーションズ、株式会社カンケン、北九州信和有限会社、有限会社草場工業所、株式会社コクシン、有限会社鈴木牧場、株式会社セラヴィリゾート泉郷、滝上産業株式会社、有限会社タナカソーイング、中西和博、株式会社長谷川萬治商店、株式会社フジミヤ、株式会社平和美装、丸七製茶株式会社、山崎工業株式会社及び山二興業株式会社に対し、技能実習計画の認定の取消しを通知しました。
(厚生労働省報道発表資料7月27日)

この処分には、技能実習制度を巡る国際的な批判に対して、健全化をめざす法務省と厚生労働省の本気度が伝わってくる。処分理由も公表した。その一部を紹介する。九州国際交流協同組合に対しては「地方出入国在留管理局より外国人の技能実習に係る不正行為に対する通知を受けたことにより、出入国又は労働に関する法令に関し不正又は著しく不当な行為をしたと認められたこと」。アーバン協同組合に対しては「傘下の実習実施者に対する監査を適切に行っておらず、監理事業の適正な運営を確保するために必要があると認められること」。越前町漁業協同組合に対しては「技能実習生からの相談応需体制が適切に整備されていないこと、及び、傘下の実習実施者に対する監査を適切に行っていなかったことにより、監理事業の適正な運営を確保するために必要があると認められること」。実習実施者どんな理由で処分されたのだろうか。エポックインターナショナルは「役員のうちに、労働基準法違反により罰金の刑に処せられたことにより、出入国又は労働に関する法令に関し不正又は著しく不当な行為をしたと認められる者がいること」。MYコミュニケーションズは「出入国管理及び難民認定法違反により罰金の刑に処せられ、その執行を終えたこと及び出入国又は労働に関する法令に関し不正又は著しく不当な行為をしたと認められること」。こうした事案がごく一部に過ぎないのか、それとも氷山の一角なのか。健全化に向けて当局の指導力に期待したい。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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