2021/06/07
厚生労働省が28日発表した毎月勤労統計調査(確報、従業員5人以上の事業所)の2020年度まとめによると、1人当たりの月額所定外給与は前年度比13.3%減の1万7028円で、比較可能な13年度以降で過去最大の減少幅となった。
新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言発令が相次ぎ、飲食業を中心に休業や営業時間の短縮が余儀なくされたことが影響した。基本給や残業代を合わせた現金給与総額は1.5%減の31万8081円だった。勤務形態別に給与総額を見ると、一般労働者は1.9%減の41万6570円で、パートタイム労働者は0.9%減の9万9083円だった。
(共同通信5月28日)
2020年度減少したのは残業代だけではない。現金給与総額が8年ぶりに減少して月31万8081円。4月の雇用関連統計も芳しくない。有効求人倍率は前月比0.01ポイント低下して1.09倍。逆に完全失業率は前月比0.2ポイント上昇の2.8%だった。
さらに賃上げ率も低下した。経団連の調査によると、21年の大企業の賃上げ率は8年ぶりに2%を割って1.82%だった。
新型コロナの第2波までは、コロナによる雇用悪化はコロナが収束すれば回復すると見られていたが、それどころではなくなった。東京五輪を経て感染が拡大すれば、ワクチン接種でどこまでカバーできるかは不透明となり、医療崩壊につづいて飲食・宿泊・旅行・航空などは“業種崩壊”に直面しかねない。冬のボーナスも望めない。
すでに各社とも着手しているだろうが、収益モデルを変革する以外にない。当然、社員も副業を拡大するなど自身の収益モデルを変革しないと雇用危機に対応できなくなる。少なくとも残業代をアテにした生活設計は改めて、あくまで残業代はゼロを前提にすることが現実的だ。
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