2021/06/03
旅行大手のエイチ・アイ・エス(HIS)は、新たに500人規模の社員をグループ外企業に出向させることを決めた。すでに約1000人の出向を進めており、合計で全社員の約4分の1に上る。新型コロナウイルスの影響が長期化しており、追加のコスト削減が必要と判断した。出向先は、すでに同社からの社員の受け入れを表明しているパソコン販売のピーシーデポコーポレーションなどで調整している。HISは2月下旬から社員出向を順次始めており、期間は最長2年とする見込み。
(日本経済新聞5月27日)
帝国データバンクの調査によると、2021年4時点で、正社員が不足している企業は37.2%だった。20年4月からは6.2ポイント増加したが、19年4月と比較すると13.1ポイント下回っている。「適正」と回答した企業は47.6%(前年同月比0.4ポイント増、2年前比6.3ポイント増)で、半数近い企業で適正と感じている。
「過剰」と回答した企業は15.3%(同6.6ポイント減、同6.9ポイント増)。正社員が不足している企業は、業種別「メンテナンス・警備・検査」(55.6%、同9.1ポイント増、同12.2ポイント減)と「教育サービス」(55.6%、同17.7ポイント増、同13.9ポイント増)が最も高かった。
次に「豪雨災害の復旧工事が多く発注され、公共土木部門が大変忙しく人手不足が顕著になってきている」(一般土木建築工事)といった声があがった「建設」や、デジタル化の促進にともないIT人材の不足が目立つ「情報サービス」などがつづいた。
「不足」と「過剰」がいずれも2ケタ台であることは、労働力の需給ギャップが顕在化している現状を反映している。HISのように出向人事を進めれば雇用を維持でき、需給調整にもつながっていく。ただ、自社の余剰人員に他社からお呼びがかかるかどうかが問われてくる。
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