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東スポが社員100人リストラ “入社2年目で年収1200万円”高給で知られた会社が危機の理由

宇宙人や人面魚の存在を暴くなど、独自の“笑撃”スクープを飛ばし続けてきた「東京スポーツ」が今、笑えない事態に直面している。
「3月末に希望退職者を募集するという社内メールが届き、『ついにウチもか』と暗いムードが漂っています」(50代記者)  
希望退職者の対象は45~59歳の160人。社員約350人のうち100人、全体の3分の1近くをリストラするという。  
(中略)
 実は東スポは紙媒体全盛時代、期末の臨時を含め年に4回もボーナスが支給されるほど高給で有名だった。
「90年代中頃は、入社2年目の年収が1200万円。それがピークで、今はその半分ぐらい。19年5月の決算では純利益が約20億円の赤字、総資産は約65億円しかなく、会社側から『あと2~3年で潰れる』と告げられました」と明かすのは40代後半の記者だ。
(中略)
説明会で提示された金銭的補償は、通常の退職金+1年分の給料だった。 「募集締め切りは5月14日、退職期日は6月末ですが、50歳でトータル2000万円出るかどうか。お先真っ暗ですよ」(前出・出席者)
(文春オンライン 4月20日)

45~59歳の160人のうち100人が希望退職の対象になれば、この年代で残るのは60人となる。ベテラン層がこの人員でも当面経営していけると判断したのだろうが、それだけ
デジタル時代には平均年齢の引き下げが迫られている。
いまやベテランとか重鎮という存在は、若手にとっては“重荷”に転化したようで、DX(デジタルトランスフォーメーション)人材に主導権を委ねないと、あっという間に転落してしまう。そんな時代に入った。
まして組織の活力は平均年齢に影響を受ける。活力は伸びしろと表裏一体で、それは年齢の産物でもある。だが、生活費の負荷を抱えている身では、活力に限界を感じても、そうスンナリと退散できない。
東京スポーツの希望退職対象年齢45~59歳のうち、55歳を過ぎた社員には、住宅ローン完済の目途がつき、子どもも独り立ちしていて、ある程度身軽になった人もいるかもしれない。だが40代のうちは生活の負荷が重いだろう。
高給取りであれば生活水準も高いが、いまの水準を維持できる収入にありつけるとは限らない。かといって、生活の質を変えることなど理屈どおりにはいかない。不況期に割を食う中高年社員――30歳を過ぎたら40歳以降のキャリアプランをしっかりと考えることが、人生のBCP(事業継続計画)である。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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