2021/04/20
政府の経済財政諮問会議(議長・菅首相)の民間議員は13日の会合で、「選択的週休3日制」の導入を求める。経済構造の変化に合わせ、人材への投資と成長分野への人材の移動を促すため、政府の支援拡大や経済界主導での教育プログラムの整備も提案する。
提言案は「従業員の学び直しへの支援を強化するため、選択的週休3日制を導入するなど働きながら学べる環境を整備すべきだ」としている。育児や介護などと労働を両立させやすくすることに加え、休日を活用して新たな能力を身に付けてもらうことで人材の質を高め、持続的な経済成長につなげることも狙っている。
また、職業訓練にかかる費用の支援について、政府に対し「財源のあり方を検討し、企業を通じた支援から個人への直接給付に移行していくべきだ」と指摘する。「産学官で連携し、時代や企業のニーズに合わせて教育プログラムを見直す」ことを求める。
(読売新聞オンライン 4月13日)
週休2日制の歴史は1926年にさかのぼる。この年に米国フォード社が導入したことが嚆矢とされているようだ。日本では65年に松下電器産業(現パナソニック)が導入したが、多くの企業が導入したのは80年代に入ってからだ。
この時代は隔週休2日制も珍しくなく、土曜出勤は勤務時間が午前中だけの「半ドン」と呼ばれ、職場にもよるが、午前中だけの勤務はどこか中途半端だった。ほどなく週休2日制がスタンダードになり、92年には官公庁も週休2日制を導入した。
そもそも週休が何日だろうと、企業活動が真っ当に成り立つのなら個々に設定すればよいのだが、現状で週休3日制を導入すれば、多くの企業で業績を直撃する。
選択的週休3日制の狙いは何か。多様な働き方を大義名分とした人件費削減にあることは容易に想像がつく。週休3日を選択した社員は給与を削減されるだろうから、これを人件費削減策として乱用する企業も現われるかもしれない。
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