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看護師は「生涯現役」 東京都、50代の就労支援

東京都は看護師が定年後も働き続けられるよう生涯就労を後押しする事業を始める。看護師の活躍する場は急性期の病院だけでなく、介護施設や慢性期の病院など幅広い。50代以降の現職または離職した看護師を対象にセミナーや職場体験会などを開催し、就業を継続してもらう。
事業は東京都の委託で看護師の就職をあっせんする東京都ナースプラザが担う。定年退職前後の看護師を「プラチナナース」とし、年4回のセミナーのほか、職場体験会を通じて、慢性期病院や特別養護老人ホームなどでの仕事の内容を理解してもらう。
就職先を確保するため、病院や介護施設など採用側の管理者向けセミナーやナースプラザの職員による訪問営業にも取り組む。年1回のペースでプラチナナース限定の合同施設説明会も開催する予定だ。  
高齢化により東京都では2025年時点で3万3000人の看護師が不足する見通し。ただ、少子化が進むなかで新規就職者を増やすのは難しい。再就職の促進や定年後も職場を変えて働き続けてもらうことが人手不足の解消には欠かせない。
(日本経済新聞 4月10日)

 
 看護師が定年後も働き続けるには夜間対応などの負担軽減策が必須だ。日本看護協会は4月7日、厚生労働省の吉永和生労働基準局長に令和 4 年度予算・政策に関する要望書を提出した。要望内容は「深夜業を含む交代制勤務に従事する看護職員の健康確保のため、指針を策定されたい」。
 日看協は要望の根拠に「看護師等の夜勤対応を行う医療従事者の負担軽減の ため、勤務間インターバルの確保等の配慮が図られるよう検討を進めていく」(過労死等防止対策大綱・2018年7 月24日)を挙げた。
指針に盛り込むべき項目として、日看協は①夜勤の回数(3父代制勤務で月8回以内) ②長時間夜勤の回避(1回の夜勤の長さは13時間以内))③勤務間インターバルの確保(勤務間インターバル11時間以上、 1回の夜勤後おおむね24時間以上、2回連続夜勤後おおむね 48時間以上の休息確保) ④仮眠の確保、仮眠環境の整備(仮眠室(個室)を確保)――を示した。
それにしても日看協は看護師の職場環境整備に向けて、次々に手を打っている。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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