Talk Genius

人と会社と組織を考えるニュースマガジン

DX教育し派遣 アウトソーシング社

技術者派遣大手のアウトソーシングは、飲食や小売業など約3000人を採用し、デジタル人材に教育してIT(情報技術)企業などに派遣する。新型コロナウイルス下で接客業を中心に雇用環境が悪化する一方、デジタルトランスフォーメーション(DX)に取り組む企業が増え、デジタル人材は不足している。スキル転換を促し、需給のミスマッチを解消する。
子会社のアウトソーシングテクノロジー(東京・千代田)を通じ5月から1年かけて採用する。飲食や小売りのほか、宿泊や航空業からの採用を想定している。勤務地は全国各地の事業所で、基本給は月20万円から。別途、手当や残業代も払われる。
1カ月以上、研修したうえでソフト開発や電機、電子部品などの企業に派遣する。サーバーの設置を手掛けるネットワーク関連のほか、ソフト開発や機器の実験評価などの業務を想定している。人員削減に取り組む企業と直接連携し、人材の紹介を受けての採用も進める方針だ。コロナ収束後、本人が希望すれば元の職場に復帰することも可能という。
(日本経済新聞 3月4日)

デジタル化に直面して困惑している業界のひとつ、介護業界では「科学的介護の推進」が2021年度介護報酬改定の重点項目に据えられた。国が運用する「LIFE」という情報システムにケアの進捗情報などを入力し、フィードバックを受けたら、その内容に基づいてPDCAサイクルを廻してケアの質を高める取り組みが求められている。
しかも科学的介護推進体制加算が施設系・訪問系の14サービスに新設され、デジタル化への政策誘導が着手される。介護業界は他業界に比べてデジタル化が遅れていると言われ、介護記録を手書きで処理しているケースは珍しくない。
LIFEに対応できなければ収入減が必至とあって、多くの介護事業者がタブレットやスマートフォンを購入して、準備に入っている。ただ介護職には60歳以上も多く、国の要求通りに使いこなせるかどうか。
デジタル人材を雇用して体制を強化する手段もあるだろうが、その動きは見られないという。人件費をペイできるかどうか読めないからだ。しかも介護報酬からデジタル人材の給与をねん出するのは、いかにも至難である。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

この著者の記事を全て見る

Talk Geniusとは-

ヘッドハンティング会社のジーニアスが提供する人と会社と組織を考えるニュースマガジンです。