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60歳以降の求職者の約半数が「経済的な理由」で仕事探し

「Indeed (インディード)」の日本法人であるIndeed Japan株式会社は、9月18日の「敬老の日」を前に、 60〜89歳の男女30,198名を対象に、「シニア世代の求職活動実態調査」を実施しました。また、そのうち60歳以降に「経済的な理由」で求職活動を実施したことのある1,579名を対象に、採用された経験のある人とない人を比較し、採用成功のためのポイントを明らかにしました。
調査の結果からは、60歳以降の求職者全体の約半数(48.5%)が経済的な理由で仕事を探していることが明らかになりました。また、経済的な理由で求職活動を行っている方を対象に、応募企業に採用された経験の有無をたずねると、約3割(27.0%)が採用に至っていないこともわかりました。
採用されるためには、仕事や勤務先に求める条件を緩和し選択肢を広げることが最も重要なポイントであることが見えてきました。また条件を緩和して仕事を見つけた場合であっても、満足度高くやりがいを持って働けている人が多いこともわかりました。
(Indeed Japan作成ニュースリリースを要約 9月8日)

 令和5年度の厚生年金(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額)支給額は月22万4482円、国民年金(満額)は月6万6250円。預貯金や住宅費、ローンなどの状況にもよるが、この年金額では働いて収入を得ないと生計は苦しくなるだろう。
 社会参加によって生きがいを求める余裕はなく、60歳を過ぎても現役を延長せざるを得ない。ただ求職活動に臨んでも、この年齢層は多くの企業で求められていない。体力に不安があり、扱いにくいと思われているのだ。
とくに長年にわたって身につけた仕事のスタイルは「郷に入っては郷に従え」と自分に言い聞かせても、容易に変えられるものではない。たとえ周囲とズレていることを自覚しても、どうにもならないのだ。
政府は生涯現役路線を引きたくとも、企業が望むのは中堅若手層である。そこに入り込むのだから、まず処遇や待遇や仕事内容にこだわりすぎないことだ。Indeed Japanの調査によると、採用に至った人のうち、84.8%が条件を緩和して仕事を見つけている。
では、条件を緩和して就職すると、不満を抱きながら働かざるを得なくなるのか。現実はそうではない。72.7%は仕事に満足し、64.6%は入社後活躍できていると感じ、62.6%はやりがいを持って働いているという。
たぶん経験則に拘泥せずに努力しているのだろう。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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