2020/12/22
厚生労働省は15日、新型コロナウイルス感染拡大に関連する解雇や雇い止めは、11日時点で見込みを含めて7万6543人だったと発表した。前週よりも1202人増加。アルバイトなどの非正規労働者が約6割に当たる702人を占めた。
業種別では製造業が1万5310人で最多。飲食業が1万902人、小売業が1万272人、宿泊業が9542人、労働者派遣業が5064人と続いた。
都道府県別では東京都が1万8476人で最も多かった。次いで大阪府が6581人、愛知県が4315人、神奈川県が3354人、北海道が2979人。
労働局やハローワークに寄せられた相談や報告を基に集計。
(共同通信 12月15日)
コロナ禍で人員削減が加速する一方で、人手不足が続いている業種は、なかなか雇用の受け皿になれない。業務が過酷で賃金水準は低い――そうレッテルを貼られてしまうと、はなから転職先候補の対象から外されてしまうのだが、公共性の強い仕事なら必ずしも対象外とは限らない。
介護労働安定センターが2018年度に実施した「介護事業所における高年齢者等の雇用に関する実態調査」で、意外な結果が出た。
介護事業所に勤務する60歳以上の職員の入職ルートは①定年延長型②介護転職型③異業種からのセカンドキャリア型――この3つで、男性の場合、セカンドキャリア型が他の2つを上回っていた。転職理由は「人や社会の役に立ちたいから」や「通勤が便利だから」、「働きがいのある仕事だと思ったから」が多い。
セカンドキャリア型の高年齢者は配属先では、男性は施設系(通所)事業所で働く介護職員が多く、事業所の実情等を考え合わせると、送迎ドライバーなどへの従事が多いのではないかと推察されるという。一方、女性の高齢職員は訪問系事業所での就労が多いが、家事などの経験が活かせ、ワーク・ ライフ・バランスの取りやすい訪問介護員としての就労が一定数いるという。
セカンドキャリア型高齢職員の受け入れ方について、介護労働安定センターはこう提言している。
「介護未経験者の持つ不安を払しょくする研修を実施し、他業種での経験を生かした配置や業務における『役割を明確化』することが大切である。そうすることにより、本人自身が職場での居場所を確保し、本人の定着のみならず事業所の職場環境の向上にも好影響を与える」
役割の明確化も、居場所の確保も、高齢者の社会参加のキーワードだが、雇用にも当てはまる。
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