2020/11/19
近畿日本ツーリストなどを傘下に持つKNT―CTホールディングス(HD)は11日、希望退職などでグループ従業員約7000人の3分の1を2025年3月までに削減すると発表した。個人旅行を扱う全国138の店舗も3分の2を22年3月までに閉鎖する。
新型コロナウイルス感染拡大に伴う旅行需要の激減で業績が悪化しているためだ。希望退職のほか、新卒採用の抑制や出向で人員を圧縮する。希望退職は原則35歳以上が対象で、募集人数は設定していない。
店舗は個人向けに加え、団体旅行を扱う95支店も、約25店を22年3月までに閉鎖する。
1972年から展開している国内ツアー旅行ブランド「メイト」と、海外向けの「ホリデイ」を来年3月末で終了し、ネット中心の営業に切り替える。一連の改革で2023年3月期に、19年3月期に比べ約200億円のコスト削減を見込む。
同日発表した21年3月期連結決算の業績予想は、最終利益が過去最悪となる170億円の赤字(前期は74億円の赤字)になる見通しだ。20年9月末時点の自己資本比率は1・4%まで低下した。
(読売新聞オンライン 11月11日)
新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長は11日に開かれた衆院内閣委で、政府が感染状況について、感染者が急増する「ステージ3」と判断すれば 「GoToトラベルだけでなく社会経済活動を今より抑制しなければいけないと述べた。
同じ11日に、日本医師会の中川俊男会長は定例会見で北海道をGoToトラベルの対象から外すことに言及。「急速な拡大の兆候が見られたならば、柔軟に見直しを考えてもらいたい」と要望した。
医療界のホンネはGoToトラベルの縮小である。この春からの医療現場の疲弊はいまだに解消されていないが、そこに第3波が襲来した。現状ではコロナ対策と経済活動の両立は難しく、両者の関係はトレードオフである。
おそらく国民もGotToトラベルの取り扱いがどうであれ、旅行を抑制するようになるだろうから、旅行会社の経営回復はしばらく期待できない。近畿日本ツーリストが人員削減を2025年3月まで実施するのは、それだけ回復を見込めないからだろう。
募集対象年齢が35歳からというのも深刻だ。若手社員以外はリストラの対象になったのである。
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