2020/10/19
全日本空輸(ANA)が社員の副業範囲を大幅に広げる方針を固めたことが9日わかった。従業員が勤務以外の時間を活用して、ほかの会社とも雇用契約を結べるようにする。新型コロナウイルスの影響で航空需要が落ち込む中、収入の増加やスキルアップにつなげる狙いで、実現すれば大手航空会社では初となる。
労働組合側に方針を示した。詳細は今後詰めていく。ANAはこれまで、勤務時間外に家庭教師をするなど個人事業主の立場での副業は認めてきたが、あまり浸透していなかった。今回の案ではANAで働きつつ、ほかの会社ともアルバイトやパートなどとして雇用契約を結べる。
ANAのパイロットや客室乗務員を含む全従業員1万5千人が対象。2021年の開始を想定している。今後は、親会社ANAホールディングス傘下の会社でも検討していく。
(朝日新聞デジタル 10月10日)
共同通信(10月13日付)によると、全日本空輸が労働組合は遅くとも2021年1月から基本給や諸手当を一律5%減額するほか、従来3割だった厚生年金保険料の従業員負担を5割に引き上げる。さらに希望退職の退職金加算を引き上げ、募集人数の目標は設定しない。35~49歳には将来の復職や再雇用の可能性を残した支援制度も提示したという。
残った社員には収入ダウンに応じてもらう以上、収入確保の機会を認めるのは、いまの時代では必然だ。副業の解禁は「会社からはこれだけしか払えないから、足りない分は自分で稼いでほしい」というメッセージでもある。当然、ANAの社員もそう受け止めて、副業に入るだろう。
コロナ禍で雇用が確保されるだけでも御の字だが、住宅ローンや子どもの教育費を抱えている社員にとっては、雇用の確保だけでは生計が危うくなるかもしれない。
一般に一度下がった給与はなかなか回復しない。まして個人消費に依拠するビジネスが、コロナ以前の業績に回復するのは至難である。
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