2020/09/25
東京商工リサーチは「上場企業の平均年間給与」調査を実施し、その結果を発表した。1803社で働くビジネスパーソンの平均給与は「630万5000円」で、前年同期より1万5000円(0.2%)増加した。2012年3月期以降、9年連続で上昇していたが、伸び率は鈍化。中央値でみると、前年同期と同額の614万円だった。
平均給与のトップは、売掛債権保証のイー・ギャランティで2413万1000円。前年同期485万1000円の約5倍(4.9倍)に増加し、唯一、2000万円台に乗せた。「好業績を反映し、給与のほか、株式報酬(株式付与ESOP信託制度による給与)が大幅に増加し、平均給与を押し上げた」(東京商工リサーチ)
2位は日本商業開発で1921万円、以下、三菱商事1631万8000円、伊藤忠商事1565万7000円、丸紅1452万7000円と続いた。上位10位に総合商社が5社、不動産3社がランクインした。
(ITmediaビジネスオンライン 9月14日)
上場企業の平均年収630万円という数字だけからは格別の感想が湧いてこない。「まあ、そんなものだろう」と思う程度だが、上位層の企業をみると、やはり高水準だ。
「年収1000万円や2000万円では高給とは言えない。せめて5000万円は超えていないと」(人材紹介会社役員)。そんな見方もあるが、要は基準をどこに設定するかだ。
妥当な基準は国税庁の「民間給与実態統計調査」である。この調査によると、2018年度の平均年収は前年度比約2%増の441万円。この数字に比べると、上場企業の平均年収は1.5倍近い。
東京商工リサーチ調査による年収区分では、平均給与が1000万円を超えたのは33社(構成比1.8%)とわずかだが、500万円以上600万円未満は530社(同29.3%)、600万円以上700万円未満は518社(同28.7%)。一方で、500万円未満は286社(同15.8%)と少ない。
コロナ禍で上場企業の給与水準も下がるだろうが、未上場企業はそれ以上に下がる。菅義偉首相が掲げる「自助・共助・公助」のうち、人件費は自助に該当するから、企業間格差はさらに拡大していくだろう。
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