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ラオックス、希望退職に114人応募 募集の半分以下

ono20200824

免税店大手のラオックスは14日、7月末まで募っていた希望退職に114人が応募したと発表した。募集人数は250人程度で半分以下だった。8月末に退職する予定。14日発表した2020年1~6月期の連結決算は、最終損益が139億円の赤字(前年同期は31億円の赤字)だった。同期間として最終赤字は2年連続。新型コロナウイルスの影響による訪日観光客の急減が響いた。閉鎖する店舗などが対象の減損損失や棚卸し資産の評価損のほか、希望退職の特別退職金も計上した。
売上高は前年同期比37%減の379億円、営業損益は28億円の赤字(前年同期は23億円の赤字)だった。新型コロナに伴う政府の緊急事態宣言を受けた店舗の臨時休業で、販売が落ち込んだ。
(日本経済新聞 8月14日)

東京商工リサーチによると、2020年1月から8月13日までに早期退職および希望退職を募集した上場企業は52社、募集人数は計9323人。8月中旬までに50社を上回ったのは12年以来だった。年内には1万人を上回る勢いだ。

一般に希望退職者を募集すると、優秀な社員が会社に見切りをつけて応募するといわれるが、大不況期にあってはそうとも限らない。再就職に難儀することが必至と思えば、賞与カットなど処遇悪化を承知のうえで在職しつづけるのだ。割増分も含めて退職金が数千万円に達すれば、見切りをつけて希望退職に応募する社員が続出するだろうが、それだけ賄えるのは大手企業の一部にすぎない。

いまの時期、40歳を過ぎていれば、どれほど実績を積んだ人でも、年齢だけで採用対象から外れてしまいかねない。コロナ以前ならベンチャー企業の経営幹部として厚遇されるケースも多かったが、状況が一変した。在職をつづけられるのなら、当面はしがみついたほうがよい。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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