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転職市場活況、求職者が増加 個人も企業もテレワークシフト

ono20200709

転職市場にも働き方のニューノーマル(新常態)を目指す動きが表れてきた。パーソルキャリア(東京・千代田)が20日発表した6月の転職動向によると、転職希望者数は前月比22.3%増え、2014年4月の集計定義変更後の最高となった。先行き不安だけでなく新たな働き方を求める動きが広がっている。求人企業もテレワークを支える人材の確保を急ぐ。
同社の転職サービス「doda(デューダ)」に登録する求人数を転職希望者で割った中途採用の求人倍率は前月比0.37ポイント低い1.66倍だった。求人数は前月比0.2%増えたが、前年同月比では27.5%減と低迷している。転職希望者は前年同月でも2.6%増え、倍率を押し下げた。
 テレワークが可能な仕事への転職希望が多いという。喜多恭子doda編集長は「リーマン危機時に比べ転職希望者の増加は緩やか。ただ働き方を変えたいという動きは新しい」と話す。在宅勤務の普及を目の当たりにし、柔軟な働き方を求める人が増えている。
エン・ジャパンの転職サイト「エン転職」では4月以降、「テレワーク」の検索数が19年比2倍に増加。「週休2日」に次ぐ2位に上昇した。
(日本経済新聞 7月20日)

就職情報誌の全盛期なら各誌が「テレワーク導入企業特集」を組んだはずだ。事例として都内の企業に勤務する地方在住の社員のライフスタイルをレポートしたのではないか。1週間のタイムスケジュールも掲載し、公私のバランスが取れた日常が話題を呼ぶだろう。

大学の授業もオンライン化が進んでいるため、「地方の学生のなかには実家で授業を受けているケースも多い」(都内の私立大学関係者)という。臨時的な措置なので家賃は支払い続けているのだろうが、生活費は大幅に軽減できるはすだ。

かねてから“東京一極集中から地方分散へ”というテーマは地方創生の重点事項に挙げられているが、オンライン社会への移行で地方分散は一定程度進む。
ただ、オンライン組は対面機会の激減でコミュニケーション感覚が変化して、たとえば対人感受性は著しく鈍感になるのではないか。オンライン育ちが大量に出現すると対面時に相手との距離感がつかめずに、意思疎通に支障をきたす場面が頻発することも想定される。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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