2020/07/24
求人市場全体にいよいよ暗雲が垂れ込めてきました。これから当面、おそらくは少なくとも2020年内中は求人市場全体、その中でも若手・中堅層と非正規雇用についてはかなり厳しい転職市場となると思われます。その一方で、堅調(一部は過熱とも思われる)なのがミドル・シニアの幹部層求人です。ウィズコロナ下で大ダメージを受けている、いくつかの産業ではさすがに幹部採用も保留や中止となっていますが、それ以外の業界では水面下での幹部採用が活発化しており、一部では争奪戦ともなっています。
(中略)
今、活況な職種には、まず第1群として「デジタルトランスフォーメーション(DX)を推し進めてくれるリーダー人材」を求める各社の動きが挙げられます。まさにニューノーマル(新常態)、アフターコロナに向けて自社の事業転換を急ぐ動きが水面下で活発化していて、それをリードしてくれるCxO(経営幹部)人材、関連部署の責任者・リーダーを求める企業が増えています。
ある大手流通企業では自社としても業界としても「周回遅れ」といわれるデジタル化に一気に追いつき、世間標準を超えようと、異業界からデジタル化をけん引してきた幹部人材を招きました。専門部署を創設し取り組むことで、メディアでも取り上げられるようなサービスや自社内の業務改革を実現し始めています。
(NIKKEI STYLE 7月17日)
これは、エグゼクティブサーチやコンサルティングを行っている「経営者JP」社長・CEOの井上和幸氏の論考である。人材紹介事業を実践している立場からの論考だけにリアルである。
コロナ禍を契機にDX需要が急速に高まっている業種に医療がある。4月10日からコロナ収束までの時限的・特例的措置として、初診からのオンライン診療に医療保険が適用され、一気に普及する見通しだ。
コロナが収束すれば緩和措置は撤廃されるという制度設計だが、コロナ収束後には恒久化する可能性もある。この措置は3カ月おきに見直す仕組みだが、コロナ収束までにオンライン診療が相当程度普及すれば、もはや後戻りできないという事態も想定できる。
日本の医療現場はデジタル化が遅れているといわれるが、医師の平均年齢は意外に高く、開業医は60歳を超えているため、デジタル対応に長けているとは限らない。一方で、オンライン診療に商機を見出す若手医師のなかには医療法人を経営する傍ら、ITベンチャーを設立してオンライン診療システムを開発し、全国の医療機関に販売している例もある。
まさにデジタル格差は収益格差に直結する。
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