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外食、人手確保へ待遇改善 ハイデイ日高は手当50万円

外食チェーン各社が人材の確保や定着に向け取り組みを強化している。新型コロナウイルス対策の行動制限が緩和され客足が戻る一方、人材が足りずに営業時間が制限される例もある。ラーメン店「日高屋」を展開するハイデイ日高は中途採用者に50万円の手当を分割支給し、人材確保につなげる。小売業でも人手不足が強まるなか、人材獲得競争は激しさを増す。
ハイデイ日高は中途採用者に対して50万円の手当給付を始めた。50万円の手当を10回程度に分けて支給する。育児などを理由に同社を1年以上離職していた後に再び雇用された元従業員なども対象となる。
3月にまん延防止等重点措置が解除されて以降、外食チェーンでは店内飲食の需要が戻る一方、人手不足により通常営業の時間を確保できず売り上げを思うように伸ばせない例も出ている。
(日本経済新聞 7月18日)

賃上げを促進する措置として「賃上げ促進税制」が発足した。適用期間:令和4年4月1日から令和6年3月31日までの間に開始する各事業年度。適用要件は通常要件と上乗せ要件の2種類が設けられている。
大企業の場合、通常要件は、継続雇用者給与等支給額が前事業年度よ3% 以上増えていること。控除対象雇用者給与等支給増加 額の15%を法人税額又は所得税額から控除できる。
さらに上乗せ要件として、継続雇用者給与等支給額が前事業年度より4%以上増えていれば、
税額控除率を10%上乗せできる。教育訓練費の額が前事業年度より20%以上 増えていれば、税額控除率を5%上乗せできる。
 大手外食企業も賃上げ促進税制を活用しているのだろうが、外食市場は長期的には下降トレンドを辿っている。日本フードサービス協会の調査によると、2020年の外食市場規模は18兆2千5億円(前年比30.7%減)。19年に26兆円規模だった外食市場は、コロナ禍の1年で約8兆円も縮小し、1984年の水準にまで後退した。
 テイクアウトとデリバリーで稼げるファストフードや持ち帰り米飯・回転寿司は業績を維持できているが、店内飲食が主体であるパブ・居酒屋、ファミリーレストラン、ディナーレストラン、喫茶は大打撃を受けた。
 テレワークの普及によって外食需要の復活はあまり期待できない。一部の有力チェーンは業績回復による人手不足に直面しているが、外食市場全体の課題ではないだろう。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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