2020/06/19
政府は月内に新型コロナウイルスの感染拡大で中断していた在留資格「特定技能」を取得するための試験を全国で再開する。海外での受験もカンボジアから順次再開する。出入国規制の緩和後をにらみ、介護など人手不足が深刻な業種で人材の確保を狙う。
国内会場での試験は4月から5月下旬にかけて中断していた。緊急事態宣言が全国で解除され、6月から東京など首都圏の試験を再開した。主にすでに日本に在留する留学生の受験を想定する。
海外で受験した外国人が合格しても、現在は厳しい入国制限や国際線の運航減少で来日できない。政府は制限を緩和したら希望者がすぐに来日できるよう準備を進める。
(中略)
政府は初年度に最大4万7550人の受け入れを見込んだが、送り出す側の国の手続きが遅れ、実際に20年3月末までに来日したのは約4千人と目標の1割以下にとどまった。(日本経済新聞 6月11日)
人手不足が際立つ介護業界は特定技能人材の来日を待ち望む一方、留学生に対する期待も大きい。
介護福祉士養成施設の留学生数は右肩上がりを続け、2015年度に94人だった入学者数は19年度に2037人。じつに入学者数全体の29.2%を占めた。受け入れ校も15年度の29校から167校に増えた。
出身国数も、15年度の9カ国から19年度には26カ国に増えた。
国別の入国者数は19年度にはベトナムが圧倒的に多く1047人で、中国(212人)、ネパール(203人)、フィリピン(163人)、インドネシア(106人)、ミャンマー(99人)、スリランカ(95人)と続いた。
介護福祉士養成施設の定員充足率が50%を切っているなかで、留学生の確保は生命線ともいえるが、出口である介護福祉士国家試験の合格状況は芳しくない。
全受験者の合格率は、18年度に70.8%、19年度に73.7%だったが、留学生の合格率は、それぞれ38.0%、35.9%だった。
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