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給与総額、4カ月ぶり減 新型コロナで労働時間短く

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厚生労働省が9日発表した4月の毎月勤労統計調査(速報値)によると、現金給与総額(名目賃金)は前年同月比0.6%減の27万5022円で、4カ月ぶりのマイナスだった。緊急事態宣言を受けた営業自粛により、飲食や生活関連のサービス産業で勤務時間が短くなり、労働者の収入を直撃した。  
月間の労働時間は3.7%減。産業別では飲食サービスが21.5%減、フィットネスクラブなどの生活関連サービスが18.7%減。新型コロナウイルスの影響で残業がほぼ半減した上、正規の就業時間も2割近い減少となった。  
特にパートタイム労働者では影響が大きく、労働時間は9.9%の減少。これに伴い、パートの給与総額は3.9%減とマイナス幅が大きかった。また、解雇や雇い止めにより、労働者全体に占めるパートの比率は0.55ポイント低下の30.54%となった。(共同通信 6月9日)

6月11日に4~6月期の法人企業景気予測調査が発表された。大企業全産業の景況判断指数はマイナス47.6で、3四半期連続のマイナスとなった。

しかもリーマン・ショック後の2009年1~3月期に記録したマイナス51.3に次いで過去2番目の低水準だった。中堅・中小企業の景況感に至っては過去最低を記録した。

新型コロナウイルスの感染拡大が大きく影響して、製造業・非製造業ともに景況感が急速に悪化したのだが、当然、給与にも直結した。毎月勤労統計調査で給与総額が4カ月ぶりのマイナスを記録した。

すでに労働者のフトコロは消費税10%への引き上げによって傷んでいる。そこにコロナショックが重なった。

「接触者8割減」「営業自粛要請」政策で一気に経済が崩壊した。新型コロナの第2派が襲来しても、さすがに経済後回し政策は打たれないだろう。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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