2020/06/15
新型コロナウイルスの感染拡大により、新卒採用市場で一躍注目を集めた採用手法がある。企業がウェブサイト上で学生に直接オファーを出す「スカウト型採用」だ。コロナ禍において企業説明会が軒並み中止となる中、学生との接点を求めてスカウト型採用サービスに登録する企業が急増した。ここ数年、人材獲得に苦戦する中小・ベンチャーを中心に企業の需要が高まってきていた中で、思わぬ追い風を受けた格好だ。一方、同サービスに登録する学生からは期待と実際に届くスカウトの内容とのギャップに対する不満が漏れるなど課題も残る。コロナ禍による注目をきっかけに一気に飛躍できるか-。
スカウト型採用(ダイレクト・リクルーティング)サービス:一般に学生が自己PRや目指したいキャリア像などをウェブサイト上に登録し、企業はそうした情報を見て関心を持った学生にメッセージを送り、採用選考につなげる。
(ニュースウィッチ 6月7日)
スカウト型採用は新卒採用市場でも、かなり以前から実施されていた。10年近く前だが、東京大学工学部の学生はこんな実態を教えてくれた。
「大手IT企業の人事担当者から、東京工業大学、早稲田大学、慶応大学の理工系の学生を20名から30名集めてほしいと頼まれました。会社説明を兼ねた食事会を開いて、その場でスカウトしたいというのが趣旨です」
理工系の場合、人事担当者が研究室を訪問して学生一本釣りする方法は、昔から当然のように行なわれていた。文系でも、東京大学、一橋大学、早稲田大学、慶応大学など一部の高偏差値大学の学生に限定した食事会を開いて、一本釣りを行う例がある。
こうしたアナログ型のスカウトに比べて、ウェブサイトを活用すれば対象者の幅が拡大する。
しかも説明会への参加者数をあまり期待できない中小企業にとって、スカウト型採用なら打って出ることができる。低い知名度を補うには打って出る以外にない。
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