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大和証G、コロナ下で通年採用に 来春の入社増も 中田社長

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大和証券グループ本社の中田誠司社長はインタビューに応じ、新型コロナウイルスの影響で面談が困難になっている新入社員の採用について、一定数を確保する6月の後も継続する方針を明らかにした。中田社長は「通年採用に近い形にして、良い人材を求めたい」と説明。予定を上回る人数の獲得にも前向きな姿勢を示した。同社は、来春に360人を採用する計画だ。

中田氏は「ウェブを介した就職活動に学生も不安を感じている」と述べ、就活生への配慮を理由に挙げた。9月入学などが実現すれば企業側の採用も通年に切り替わるとの見方を示した上で、今回の取り組みが将来の通年採用に向けた「第一ステップになればいい」と語った。(時事通信 5月21日)

採用活動や人事評価は大手企業が流れをつくると、なし崩しのように追従する企業がつづき、新たな標準が形成されてゆく。9月入学制が導入されるかどうかはともかく、大和証券グループが計画している通年採用も同様のコースを辿り、遠からず定着するだろう。

社会活動が4月からスタートした歴史は明治時代にさかのぼる。

会計年度の始まりが4月に定められたのは1886年(明治19年)、この年に高等師範学校の入学も4月に定められ、4月入学が定着してゆく。さらに1895年(明治28年)に新卒一括採用がはじまり、社会活動全体が4月~3月で区切られることが定着した。

このうち、柔軟に変更しやすいのは新卒採用だ。会社の定期人事異動は4月と9月に実施されるケースが多いが、業績推移や事業内容の変化によっては通年で実施されている。

新卒採用を4月に固定しないと不都合が生ずるのならともかく、会社の状況に応じて柔軟に取り組めばよい。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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