2020/04/13
「早く日本で働き、家族に生活費を送りたい」。フィリピン・リサール州で暮らすジェレミー・クルーズさん(30)は介護の特定技能試験の合格者だが、いまだ来日できずにいる。
在留資格「特定技能」を新設した改正出入国管理法の施行から1年を迎えた。出入国在留管理庁の発表によると、昨年末時点で介護の特定技能の在留外国人数は19人。政府は初年度に5000人の受け入れを見込んでいたが想定に及ばない。
海外で行われた介護の技能評価試験の合格者はフィリピンが最も多い。1400人を超えるが、ほとんどが足止めされたままとみられる。
合格者が日本で働くにはフィリピン政府が認めた送り出し機関を仲介する必要がある。特定技能人材の受け入れ事業などを手掛けるメディカ出版(大阪市)は特別養護老人ホームなど全国の18施設から要望を受けている。昨年10月からマニラで複数の送り出し機関と調整を重ねてきた。同社国際事業部の長谷川翔部長は「フィリピン側のルールが発表されても関係者によって解釈が違う。確認に時間と手間がかかった」と振り返る。
(日本経済新聞 4月7日)
新型コロナウイルス感染拡大によって、当分の間、外国人介護人材の確保は目途が立たなくなった。いまのところ、目途が立ちそうな時期もまったく見えない。
病院と同様に、介護施設は感染対策を重点的に強化しなければならない。感染が収束しても、外国人材の受け入れ準備に速やかに着手できるとは限らない。おのずと介護事業者は国内で人材を確保する以外になく、自治体も支援を強化しはじめた。
東京都豊島区は介護職員資格取得費用の一部助成を実施する。対象費用は①生活援助従事者研修受講料②介護職員初任者研修受講料③介護職員実務者研修受講料④介護福祉士国家試験受験手数料などの一部。
助成金額は①~③は受講料、④は受験手数料と登録手数料。助成金額は①5万円②8万円③10万円④受験手数料1万5300円、登録手数料3320円。
介護事業者の収入は介護報酬が財源だが、社会保障費の抑制がつづき、伸び悩んでいる。それだけに自治体による支援は貴重である。
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