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三井住友銀が人材紹介業 メガ銀初

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三井住友銀行は人材紹介業に参入する。4月1日付でヒューマン・インベントリー(東京・千代田)の発行済み株式をすべて取得し、会社名を「SMBCヒューマン・キャリア」に改める。メガ銀行が人材紹介業に参入するのは初。人材の確保に悩む企業が増えるなか、融資にとどまらない取引先の経営課題に応えられるようにする。
銀行の営業担当者が取引先の中堅・中小企業から人材に関する相談を受けると、新会社に要望をつないで求職者をあっせんする。仲介がうまくいけば成功報酬として年収の3割程度を銀行側が受け取る。
(中略)
金融庁は2018年に監督指針を見直し、金融機関が人材紹介業を手掛けられるようにした。地域金融機関では横浜銀行や池田泉州銀行、広島銀行など約40行が業務を始めているが、メガ銀では初となる。
(日本経済新聞 3月31日)

この記事が掲載された翌4月1日付けの日本経済新聞に、政府は地方銀行や信用金庫など38事業者に対して、地方銀行に経営人材などを紹介すれば1件につき最大100万円を補助する制度が掲載された。
銀行・信用金庫が融資先に経営幹部人材を紹介することは、昔からサービスの一環として行われていた。とくに中小企業が経営幹部の紹介を銀行・信用金庫に依頼することは珍しくなかった。
銀行・信用金庫の社員に目利き能力が備わっているかどうかはともかく、人材を調達するネットワークは各業種に張り巡らされている。

昨今はメガバンクの採用減がたびたび報道されるが、それだけ本業が急落するなかで、張り巡らしたネットワークから新事業を立ち上げることが問われている。手っ取り早いのが仲介業である。
人材紹介業に本腰を入れれば、結構な事業に育つのではないだろうか。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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