2020/04/02
大学などの教職課程を修了していない社会人が合格すると小学校教員の免許を得られる「教員資格認定試験」について、文部科学省は2020年度実施分から体育、音楽などの実技をなくすなどして受験者の負担を軽くする。試験の日程も半分に短縮する。小学校教員の採用倍率が低迷するなか、社会経験がある人材を広く教育現場に呼び込みたい考えだ。
教員資格認定試験は高校を卒業していれば受験でき、合格すると小学校教員の2種免許状(短大卒相当)が得られる。取得後に自治体や学校法人の採用試験に受かれば、小学校の教員として働ける。
試験が始まった1973年の受験者数は約6千人だったが、最近は減少傾向が続き19年度は780人にとどまった。
こうした状況を受け、文科省は受験者の負担を軽減する。試験はこれまで1~3次の3段階あり、計6日間かけて実施していたが、20年度からは2次試験までの計3日間に短縮する。
(日本経済新聞 3月26日)
景気が悪化すると公務員人気が高まるのは就職市場の法則だが、新型コロナウイルス感染症拡大による景気悪化で、雇用情勢も悪化していくだろう。就職口として公務員人気が高まることは十分想定できる。
教員もそのひとつだが、過酷な勤務環境にどれだけ適応できるのか。労働時間はブラック企業と変わらないが、残業手当も休日出勤手当もつかない。メンタルを病んでしまう教員が多いことはしばしば報道される。
教育委員会やPTAとのしがらみで窮屈な思いを強いられる学校もある。志の高い人ほどギャップに悩まされるかもしれない。ただ、民間企業も取引先や関係会社、社内他部署との関係でしがらみだらけである。しがらみを強いられることは勤め人の宿命で、これは避けられない。
一方、小学校教員は公務員なので、給与水準はけっして悪くない。
年収比較サイト「平均年収.JP」によると、小学校教員の平均年収は、28歳~31歳で514万円、40歳~43歳で735万円、48歳~51歳で825万円、56歳~59歳で898万円である。贅沢はできないが、まっとうな生活を送るには十分な水準だ。
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