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年収最大250万円高く ソニー若手・中堅、横並び見直し

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ソニーは2020年度、優秀な若手・中堅の従業員の年収を、最大で標準よりも250万円高くする。一般的な係長未満に相当する「上級担当者モデル」の従業員が対象。横並びの給与体系を見直し、貢献度の高い社員に報いる。若手・中堅社員の処遇を改善し、「GAFA」と呼ばれる米IT大手などとの業界の枠を超えた人材獲得競争に備える。
18日にソニー中央労働組合に回答した。20年度の昇給率の平均は約2%だが、人事評価の高い社員は最大で10%になる見通しだ。19年度までは昇給率は2%程度だったという。
一時金の支給額は基本給の6・7カ月分とする。前年支給した最高益達成への貢献などに報いる特別一時金0・2カ月分は無くなるが、高水準の一時金を維持する。上級担当者モデルの場合は241万8700円。
(日本経済新聞 3月19日)

IT人材のパフォーマンスは30代よりも20代のほうが高い。しかも米系IT大手の場合、20代で年収1000万円以上はけっしてレアケースではない。日本企業が優秀なIT人材を確保するには、賃金水準を思い切って引き上げる以外にない。

平成29年のデータだが、「平均年収.JP」によると、ソニー社員の平均年収は953万円。ピークとなる50代では1068万円。給与水準の高い会社だが、それでも米系IT大手には遠くおよばない。

長期の雇用を想定すれば米系IT大手よりもソニーに勤務したほうが給与の累計額は多いだろうが、いまや黒字リストラが堂々と行われる時代である。5年先、10年先の雇用は見通せない。

目先の高給になびくのは自然な行為だが、米系IT大手に移籍する理由はそれだけでなく、最先端の仕事に就きたいという意向が強いのだろう。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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