2020/03/18
宅配便大手のヤマト運輸は12日、2020年春闘で、定期昇給を中心に月4589円の賃上げをすることで労働組合と妥結した。ベースアップ(ベア)は13年の春闘以来7年ぶりのゼロだった。業績低迷や、世界経済の先行き不透明感が高まっていることを反映した。
前年の賃上げ額はベアも含めて8052円だった。労組は今春闘と前年にいずれも1万1千円を要求していた。
働き方改革の一環として、年次有給休暇の取得率を前年の「8割以上」から「9割以上」へ引き上げることで合意した。1人当たりの年間の総労働時間計画も、前年より12時間短い2308時間とする。
(共同通信 3月12日)
新型コロナショックの猛威が拡大しそうで、今春のベースアップは多くの企業で不調になるようだ。当然、消費は一段と冷え込む。
どこまで景況は悪化するのか。かりに東京オリンピックが中止になれば、その後のインバウンド需要もいっきにしぼみ、のちに東京オリンピック決定以降の景況は“インバウンドバブル”とみなされるかもしれない。
インバウンド需要をアテにして建設がつづいたホテルには閑古鳥が鳴き、売り物件も出続出するはずだ。
どう見ても、浅草や京都の街が外国人旅行者で“占拠”された光景は尋常でない。これが恒常的につづくことは地元のホテル・旅館関係者も望んでいないだろうが、インバウンド需要を主軸にすえて地方創生シナリオを描いた自治体は、大きな修正を強いられてしまう。
インバウンドは一時のキャッシュフローを生み出すので、特効薬としては効果があるが、いかんせん持続性に乏しいことが、新型コロナショックで明らかになった。
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