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パワハラ、悪質なら免職に 国家公務員、懲戒指針改正へ 人事院

人事院は7日、国家公務員の懲戒処分の指針を改正し、パワハラで相手を精神疾患に追い込む悪質な事例は免職を含む厳しい処分とする方針を固めた。
現行の指針にはパワハラに関する記載はないが、処分基準を明示して未然防止につなげる。各省庁に相談体制の整備や職員研修の実施も求める方針だ。
パワハラ防止策を大企業に義務付ける法律の施行に合わせ、6月から改正指針を適用する。2018年度に国家公務員が人事院に寄せたパワハラ相談は過去最多の230件に上っており、働きやすい職場を目指す。
指針ではパワハラを行った職員への標準的な処分を示す。著しい精神的・身体的苦痛を与えた場合は停職や減給、戒告に、注意を受けたのに行為を繰り返した場合は停職や減給にする。相手を強いストレスで精神疾患に追い込んだ職員は免職や停職、減給とする。
都道府県や市町村は人事院の指針に沿って職員の懲戒処分の基準を定めている。国の改正を受け、地方公務員のパワハラに対しても同様の処分を科す自治体が相次ぐ可能性がある。
(時事通信 3月8日)

昨年8月、厚生労働省の若手職員39人で構成された「厚労省改革若手チーム」は、職員約3800人へのアンケート調査結果(有効回答1020人)を根本匠厚労相(当時)に提出した。

このアンケートによると、「パワハラやセクハラ等を受けたことがある」は46%。「セクハラやパワハラを行っている幹部・職員が昇進を続けている」は38%。この結果が省内でどう扱われたのかはわからないが、ニュースになっていないので、たぶん看過されたのだろう。

パワハラやセクハラを解消するには、ガイドラインの策定や研修の実施ではさほど抑止力を期待できない。有効なのは厳格な処分である。処分こそ緊張感をもたらすのだが、組織の本能として「なかったこと」にして体裁を守りたい。
職場内で「#MeToo(ミートゥー)」運動が起これば、経営陣も応じざるをえない。この流れができればハラスメント撲滅につながるが、相応のエネルギーがともなうし、組織の秩序を乱したと評価されかねない。
くすぶりつづける問題である。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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