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新型肺炎対策に悩める企業 在宅勤務模索、イベント中止で戦略変更

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肺炎を引き起こす新型コロナウイルスの感染拡大に備える政府の対策基本方針が発表され、企業や経済界が対応に追われている。時差出勤やテレワークの推進など、感染リスクを抑え込もうと、各社懸命に取り組む。その一方で、イベントや会合の延期や中止は営業面で影響があるほか、中止すべきかどうかの明確な基準がなく、現場では難しい判断を迫られている。

経団連の中西宏明会長は25日の会見で、新型コロナウイルスの感染拡大に対し、「この1~2週間が収束への正念場。あらゆる取り組みでねじ伏せることが重要」との見方を示し、テレワークや時差通勤の推進を促した。
製薬大手の第一三共ヘルスケアは同日、約400人の全社員に、在宅勤務を優先するよう推奨する方針を決めた。楽天はグループ全社員に時差出勤を推奨したのに続き、在宅勤務の対象も全社員に広げた。

日立製作所では広報・IR部の全員が26日は在宅勤務とする。部署レベルで全面在宅勤務は同社で初めて。課題を探り、来週以降も実施する計画だ。
(SankeiBiz 2月26日)

新型コロナウイルス対策で在宅勤務や時差出勤を導入して、業務に支障が出ないことがわかり、あるいはワークライフバランスのうえで良策という評判が広まれば、今回の緊急措置を機に、在宅勤務や時差出勤にシフトする動きが加速するだろう。

通勤費用も不要、勤怠管理も不要だから残業手当も不要、移動交通費も不要、打ち合わせ費用も不要、社員食堂運営費も不要。結構なコストダウンができる。社員にとっても、自宅で仕事をすればパワハラやセクハラから解放される。見張られていないぶん、副業もやりやすい。

ただ、群れていないと落ち着かない人もいるから、出社願望にとらわれて、精神のバランスを崩すかもしれない。昔なら「亭主、元気で留守がいい」と言われたが、いまは夫人も多くが仕事をするか、もしくは何らかの社会活動をしているので、日中の自宅内でバッティングせずにすむ。

懸念されるのは、在宅勤務だと歩行量が減って運動不足になりがちなことだが、これは毎日運動をやって補えばよい。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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