2020/02/29
コンビニ大手のファミリーマートは19日、非正規社員を含む約7千人の社員のうち1025人が3月末で希望退職すると発表した。約7割は店舗指導員など現場の社員だという。
ファミマは2月3日から7日の間に800人の退職者を募集し、1111人が応募した。そのうち86人は業務継続に影響があるとして、制度を利用した退職を認めず、引き留めたという。退職するのは正社員924人、定年後に嘱託職員として働く非正規社員101人。
ファミマは2016年にサークルKサンクスと合併し、店舗数は1万8200店を超えたが、不採算店舗の閉店を続け、今年1月末には1万6552店にまで減っている。人件費の削減が経営課題だった。
制度利用による退職金の割増額は150億円。また人員減による人件費の削減額は20年度以降、年間80億円になると見込む。
(朝日新聞デジタル 2月20日)
希望退職者のうち、旧ファミリーマート社員、旧サークルKサンクスの割合はどうなっているのだろうか。一般論として、吸収された側の社員は不遇を強いられ、希望退職を募れば見切りをつけて続々と応募してくるものだ。
あるいは、すでにコンビニエンスストア業態は頭打ちと判断して、転身を図ろうとしているのだろうか。
いずれにしても黒字リストラを実施する会社では、社員のキャリアプランなど雲散霧消されるため、会社が年次社員総会などで長期ビジョンを示しても、どこか上の空で聞き流す社員が多くなるのではないか。
社是、社訓、経営理念、行動基準――など求心力を高める装置も重みを失ってゆく。
コンビニエンスストアは、加盟店は人手不足にあえぎ、外国人留学生のアルバイトで成り立っているが、本部はリストラするほど人手が余っている。なんとも奇妙な構図である。
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