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救急医療の診療報酬手厚く 患者入院時に負担上乗せも

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厚生労働省は7日、治療や薬ごとの価格である診療報酬について、2020年度の改定内容を決めた。医師らの働き方改革推進が柱。特に勤務が過酷な救急医療で、患者受け入れ実績の高い病院への報酬を手厚くし、労働環境の改善を後押しする。その分、患者の負担は上乗せされる。大病院とかかりつけの診療所との役割分担を強化し、症状に応じた受診を患者に促す。4月から実施する。
働き方改革では、地域の救急医療を担う病院に限り、患者の入院時に5200円を上乗せする。患者の窓口負担はそのうち1~3割。救急車とドクターヘリによる患者搬送件数年2千件以上が条件で、対象は最大約900病院。
(共同通信 2月7日)

2020年度診療報酬改定を前に1月24日、静岡県富士市で公聴会が開かれた。その場で地元の中小企業経営者が、働き方改革について次の意見を述べた。
「診療報酬部分の一部を医師の働き方改革に充てるとのことだが、中小企業も最善の努力 を尽くしている。一般企業がそうであるよう、医療機関としても自らマネジメント機能を発 揮すべき。各病院で、勤務環境改善に向けた策定計画に基づいた取組をしっかりと進め、一 定の成果があった病院に対して、適切な評価をすることが妥当」
なぜ働き方改革の費用に診療報酬という公費を充てるのか。自腹で取り組んでいる民間企業にとっては、違和感を禁じ得ず、納得しがたいのではないのか。
厚労省の医師の働き方改革に関する検討会では「医師は労働者かどうか」という議論も交わされたという。
良し悪しはともかく、医療界は異質な世界である。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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