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デジタル化 労使が軸足

2020年の春季労使交渉が28日始まった。従来型の賃金改善よりも、デジタル時代への移行に伴う構造改革を目指す姿勢が鮮明になった。経営側はIT(情報技術)高度人材の獲得に向け、賃金体系の見直しなどを急ぐ。労働組合は企業内最低賃金をルール化し、労働者を守る従来型の底上げも主張する。ただ製造業の業績は低迷し、目安としてきた2%の賃上げは困難な情勢だ。
「世の中がデジタル化で変わっていく中、働き手と企業の考え方が合って力を引き出す関係にしないと本当の意味で日本経済は活性化しない」。経団連の中西宏明会長は28日、連動の神津里季生(りきお)会長との労使トップ会談でこう語った。年功序列賃金や新卒一括採用など日本型雇用制度の改革を念頭に置く。
(日本経済新聞 1月29日)

デジタル化とは縁が薄いと思われてきた業界にも変貌しつつある。
 そのひとつ、介護業界では、群馬県高崎市のエムダブルエス日高は「ICT活用の介護予防プログラム」を開発・運用している。特徴はAIを活用したリハのクラウドサービスで、次のフローでリハビリを運用し、利用者個々人に特化したメニューを提供している。
①パーソナルデータ②アセスメント③8つのメニュー(有酸素運動、筋トレ、認知トレ
ーニング、ストレッチ、スポーツ、栄養管理、血圧管理、日常生活)の実施④Untitledメニュー選択へのパーソナルベストの示唆⑤ビッグデータ分析に基づく8つのメニューの再実施――このフローがPDCAサイクルを廻す仕組みに構成されている。
 リハビリ効果だけでなく、スタッフの業務も生産性が格段に向上する。介護は対人サービスが基本であることは変わりないが、デジタル化によって業務の仕組みが改革されることは、多忙な現場にプラスだろう。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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