2020/01/23
日産自動車は相談役や顧問の役職の廃止を検討している。日産は会社法違反(特別背任)などの罪で起訴されたカルロス・ゴーン元会長を巡る一連の問題を受けて企業統治改革を進めてきた。権限がはっきりしない名誉職を廃止することで企業運営の透明化を図る。
事情に詳しい関係者1人が明らかにしたところによると、日産は相談役と顧問の肩書を廃止する方向で検討しており、今月中にも東京証券取引所に提出する不正問題の再発防止策や改善策などをまとめた報告書の中で明記するという。
現在、日産の専属での相談役・顧問は小枝至名誉顧問と川口均特別顧問の2人いるが、役職廃止と同時に退任することになる。昨年9月に退任した西川広人前社長兼最高経営責任者(CEO)も2月18日開催の臨時株主総会で取締役を退任する方向で、その後は日産を去る可能性が高い。
(ブルームバーグ 1月15日)
顧問や相談役という役職もさることながら、これらの役職名に「最高」「特別」などの冠が付くと、もはやお飾りの極みである。相応の退職慰労金を得たのだろうから、きれいに身を退けばよさそうなものだが、当人は組織から離れることへの恐怖感があるのではないか。
現役と「元〇〇」とでは世間での処遇が違う。利用価値に差があるからだが、利用価値を次の代に継承することは、みずからの存在感の喪失にもつながると怖れて、市井の人への移行に逡巡し、顧問や相談役を引き受けるのだろう。
顧問や相談役などの名誉職を配置するのなら、業績評価の対象にすればよい。任期は2年単位だろうから、2年ごとに業績を評価し、再任の有無を判断すればよい。そのさい、禁止事項として役員人事や大型案件などへの直接・間接の関与を明記し、院政を防ぐ対策も必要だ。
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