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広がる地方公務員の副業 人手不足で年4万件超

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人手不足を背景に地方公務員の副業が広がっている。

副業には自治体の許可が必要だが、総務省によると、2018年度の許可件数は全国で4万1669件に上る。社会貢献につながる副業をしやすいよう環境整備を進める自治体もある。

地方公務員が営利企業で働いたり、報酬をもらって事業をしたりすることは法律で原則禁じられている。自治体が認めれば副業を行えるが、許可の基準が明確ではないケースがあり、二の足を踏む職員が多かった。

ただ、人手不足や働き方改革を受け、近年は地方公務員が地域活動に参加することが期待されている。このため、どのような条件で副業を認めるかを示した基準をつくり、職員の活動を促す自治体が相次いでいる。

総務省の調査によると、18年度に許可された副業のうち、社会貢献活動は1万1506件。伝統行事や防災・防犯活動、スポーツや文化芸術活動の支援が代表的だ。それ以外の農業や不動産賃貸、家業の手伝いなどは3万163件だった。(時事通信 1月6日)

この記事によると、神戸市は17年4月から報酬をもらう地域活動への参加を後押しする
制度を発足させた。5年以内に副業先との契約に関する業務をしていないことが主な条件で、15人が須磨海岸での障害者支援や、古民家活用の調査などを行ったという。

発注対象外の分野なら間違いも起きにくいだろうから、副業解禁の流れは進むだろう。

一方、地方公務員に対して国家公務員は、副業に充てる時間を見出せないのではないか。

中央省庁の場合、職員の平均残業時間は月平均100時間で、本業の消化で手一杯である。その合間を縫って講演を行う幹部・中堅職員もいるが、皆、講演料を受け取っていない。

中央省庁職員に講演を依頼したセミナー会社に、講演料の振り込みをやりとりしたメー
ルを見せてもらったら「講演は政策を普及するための公務なので、講演料は受け取れません」と書かれてあった。

このセミナー会社によると、土曜日や日曜日に講演を依頼しても、講演料を受け取らないという。公務員に休日出勤手当は支給されないのだから、せめて休日の講演には講演料を認めてもよさそうなものだが、講演の内容は公務を通じて得た情報がベースだから、無償でないと具合が悪いのだろう。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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