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60歳以上の給料穴埋め廃止へ 企業の自力対応促す、政府方針

ono20191217

現役時代に比べて賃金が大幅に下がった60~64歳の高齢者に穴埋めとして支給する「高年齢雇用継続給付」を政府が段階的に廃止する方針であることが6日、分かった。現在の給付水準を2025年度に60歳になる人から半減させ、30年度以降60歳になる人から廃止する。主に現在54歳の人から半減が始まる計算になる。65歳までの継続雇用が25年度から完全義務化されるため、企業が自力で対応し賃金水準を確保すべきだと判断した。
働き方改革で非正規労働者と正社員の不合理な待遇格差を認めない「同一労働同一賃金」が20年度から順次始まることもあり、企業は人件費増への対応を迫られる。
(共同通信 12月7日)

65歳までの継続雇用が義務化されれば、人件費の膨張を避けられないが、そのうえに高年齢雇用継続給付が廃止されたら、高齢社員は一気に重荷になってゆくかもしれない。

人手不足対策要員として雇用を継続しても、赤字社員を雇うほどの余裕はないはずで、現役世代並みのパフォーマンスを求めざるをえないのではないか。対応できない60歳以上社員が辞めざるをなくなれば、会社は身軽になれるが、本人にとっては後味が悪い。
一方で、人件費の圧縮にも着手し、RPA(ロボティクス・プロセス・オートメーション)を推進して、間接部門の人員削減が進むだろう。選択肢は営業部門への異動か、あるいは希望退職か。

それでも求心力を強化しつづけなければ業績を維持できないが、いまや勤め人の多くが終身雇用を望まなくなったので、ますます理念研修などが盛んになるだろう。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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