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パナソニックが執行役員を大幅減 49人から16人に 新制度で「挑戦」促す

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パナソニックは30日、業務執行を担う執行役員のあり方を見直し、現在の49人から16人へ6割減らすと発表した。10月1日付。執行役員をグループ全体の経営を担うポストに限定し、個別事業を担当する本部長などの幹部は「事業執行層」という名称の社員と位置付ける。

執行役員は1年契約で、身分が保障される社員を辞めて就く。社員の立場でも本部長を務められるようにして、業務で失敗しても再起できる制度に変え、有能な若手に挑戦を促す。

個別事業を担う執行役員は原則として社員に戻るが、処遇や権限、責任は変えず、人件費も減らさない。事業部長級の社員も加えた約140人を事業執行層に位置付け、成果を上げた社員の報酬を増やす制度を導入する。

同社は2003年に業務を監督する取締役と執行を担う執行役員を分ける制度を導入。執行役員数は増え続け、49人は03年以降で最多となっていた。(毎日新聞 8月30日)

若手に挑戦を促す役員人事制度は有効に機能するだろう。今年の株主総会で、株主と社長との間でこんな質疑応答が交わされた。舞台は東証一部の老舗製造業――。

在任7年で80歳の社外取締役が再任候補に挙げられていたことに、株主が異議申し立てをしたのだ。

「上場企業の社会取締役の在任期間は4年が相場です。年齢の上限はオーナー企業でなければ75歳が相場です。この再任候補者に退任していただいて、次の世代に代えるべきではないでしょうか」

議長を務めた社長は困惑した表情で答えた。

「年齢は問題ないと思います。この候補者は資本市場の運営でリーダーシップを発揮された方で、当社はさまざまなことを学んできました。今後も社外取締役として活躍していただきたいと考えています。繰り返しますが、年齢は関係ないと思います」

質問した株主は、それ以上追求しなかった。

この候補者の経歴がピカピカなので、お飾りかとも思ったが、そうではないだろう。おそらくメインバンクか有力取引先との関係で、保険のような役割を果たしているのではないか。それなら納得できるが、情報開示できる任命理由ではない。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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