Talk Genius

人と会社と組織を考えるニュースマガジン

「建設」9人を初認定 外国人の新在留資格で

ono2019080702

国土交通省は30日、外国人の新在留資格「特定技能」の建設分野で5社(9人)の受け入れ計画を初めて認定した。法務省による受け入れ決定の前提となる措置で、同じ水準の技能を持つ日本人と同額以上の賃金支払いが必要になる。

認定した5社は東京、千葉、静岡の各1社と神奈川の2社で、受け入れ人数はそれぞれ1~4人。送り出す国はベトナムと中国だ。基本給はいずれも月23万~28万円と既に建設現場で働いている外国人の平均を上回る。

賃金水準に加え、日給制ではなく月給制を採用していることや、建設作業員のデータベースへの登録状況を審査する。31日にも認定を公表する。

政府は特定技能の運用にあたり、外国人が大都市圏やその他の特定の地域に偏らないようにする方針を示している。国交省は地方の人材受け入れを促すため、都市部との賃金格差がつきすぎないよう考慮する。(日本経済新聞 7月31日)

外国人材の就労実態は明暗が分かれているが、建設業の先進的な技能実習生受け入れ事例を紹介しよう。

東京都の年商350億円の建築・土木工事会社の例である。同社は今年1月時点で31人の実習生を受け入れているが、現場での指示への理解不足が生じないように組織編制を「1号または2号技能実習生+3号技能実習生または外国人建設就労者+日本人指導者」として、先輩実習生が意思疎通をフォローできるように工夫している。

さらに寮でベトナム人による運営委員会が月1回開催され、この会で協議された生活環境の整備について会社が支援している。

この会社は受け入れについて、次のような感想を述べている。

「技能実習生のなかには優秀で熱心な人もいて、実習で身に付けた技能や日本語を、引き続き日本の建設現場で発揮してもらえる機会があることはありがたい」

「建設技能者が数年で一人前になることは困難という実態を踏まえると、技能実習生として来日した外国人にとって、帰国するまでにより高い水準の技能を身に付けられるチャンスがある。歓迎されていると思う」

この会社では実習生のキャリアパスを設け、実習4年後には現場の班長として5人程度を指導監督する体制を整備している。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

この著者の記事を全て見る

Talk Geniusとは-

ヘッドハンティング会社のジーニアスが提供する人と会社と組織を考えるニュースマガジンです。