2019/08/05
日産自動車は7月25日、2022年度までにグループ全体で1万2500人の人員を削減すると発表した。同社のグローバル従業員は約14万人で、1割弱の圧縮となる。業績不振が深刻なため、余剰な生産能力を1割ほど減らし人員の適正化も図る。その一方で、次世代の競争力を担う人材の流出が懸念されている。
(中略)
日産は今年5月、4800人の人員削減計画を発表していた。削減幅の上積みに関し、市場からは好感の声が上がっている。ある外資系証券アナリストは「世界での販売を考えれば供給能力の過多は明らかで、当然の選択だろう。将来を考えれば、早く手を付けることに越したことはない」と話す。
ただ、その将来には不穏な風も吹いている。日産の事情に詳しい関係者によると、昨年11月の元会長のカルロス・ゴーン氏の逮捕以降、人材の流出が止まっていないという。ゴーン氏に近かった外国人のマネジメント層だけではなく「強みである技術部門の人材も会社から離れている」(関係者)。(日経ビジネス 7月26日)
会社が傾くと優秀な社員から辞めてゆくというのが通説だが、優秀が社員もどんどん辞める一方で、会社の中枢にポジションを得ている優秀な社員は辞めない。立場上、抜けられないのだ。例えば人事労務や経理の幹部が辞めたら、経営破綻にともなう敗戦処理すらできなくなる。
では、こうした社員のキャリアは会社とともに沈没するのかといえば、けっしてそうではない。修羅場の処理に関わった社員は、再就職もしやすい。就職の神様が奮闘ぶりを見守っていたかのように、タイミングよく誘いの声がかかったりする。
早期退職してゆく社員がうらやましく見えることもあるというが、どこかで帳尻が合うのだ。
かつては、とくに中小企業オーナーのなかには「倒産したり左前になったりした会社の出身者は縁起が悪いから雇わない」という人もいたが、それは一部の例外にすぎなかった。
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