2019/07/23
シャープの戴正呉(たいせいご)会長兼社長は16日、従業員への賞与の支給回数を現在の年2回から年4回に増やすことを検討していると明らかにした。
戴氏は堺市内で報道陣の取材に応じ、「(社員は)業績の良い悪いをあまり感じていない。四半期の業績を発表してすぐ賞与を支給し、業績への意識を高めたい」と狙いを説明した。
今春闘で同社の労使は、賞与は半期ごとの業績に基づく業績連動制を採用し、6月と12月の年2回支給することで合意している。戴氏は2016年に社長に就任して以降、「信賞必罰」の人事制度を掲げ、経営再建を主導している。(読売新聞オンライン 7月16日)
成果主義人事を運用するうえで「信賞必罰」は、理にかなっているように見えるが、言葉の意味を確認すると、人事評価になじむかどうか疑問である。
大辞林によれば信賞必罰とは「功績があれば必ず賞を与え、罪があれば必ず罰すること。賞罰のけじめを厳正にし、確実に行うこと」。成果の低い社員には評価を下げればよいだけで、就業規則に反したわけではないのに、必罰という発想はいけない。必罰を実行すると、会社によっては給与の減額や、退職を促すかのような配置転換など禍根を残す方向に暴走してしまう。
あるいは、かんぽ生命の不正販売問題で表面化したような過剰なノルマの横行にも陥りかねない。社員はルールよりも業務成績を迷わず優先し、やがて善悪の感覚が麻痺してしまう。
すでにシャープも成果主義を導入済みだろうが、あらためて信賞必罰を掲げる理由は何か。一般に信賞必罰を掲げるときは、会社は人員整理を念頭に置いている。
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